bandcamp collection 2017(Pt.1)
92914『Sunset』
WMD『Still』
HOSHINOKU'S『マルボロ EP』
Quelle Chris『Being You Is Great, I Wish I Could Be You More Often』
Z Lovecraft『The Creator EP』
NEON BUNNY『Stay Gold』
Piiptsjilling『Kjeld』
Pharmakon『Contact』
Diet Cig『Swear I'm Good At This』
ASOK『 Virtual Light』
SPC ECO『Under My Skin EP』
Fla.mingo『Fantasy』
mister T.『 The Return Of The Classic』
KEIYA『No Gravity』
TAYLOR DEUPREE『Somi』
Gábor Lázár『Crisis of Representation』
Luxury Death『Glue (EP) 』
Chouchou『Colony/Eve』
TWRP『Ladyworld』
V.A.『II Miracle』
MY PLAYLIST 2017〜"年間ベスト"から"年間プレイリスト"へ
さて、2017年によく聴いた50枚です。
もう当然のごとく保険をかけますが、あくまで極私的なものですし、正直ここで思い浮かばなかった作品、この50枚以上に作品として質の高いものなんてたくさんあると思います(アイドルを入れるなとか流行りのヒップホップに歩幅を合わせてるだけじゃんとかそういう意見もごもっともです)。
そんな中で今回選んだ50枚の基準。
自分でも「今更?」と言いたくなるけど、兎にも角にも"再生回数"と"好み"です(多少時代性も反映してますが、そこはもうどうでもいいかなと)。
だからこそ、いつものように"ALBUM OF THE YEAR"とか"年間ベストアルバム"みたいなタイトルは避けました。シングルは除いてEPやアルバムを並べた、純然たる自分の"MY PLAYLIST"として完成させたつもりです。
365日を通して、その日聴いた音楽も踏まえたら到底2017年を一つのブログで言い終えることなんてできません。そういう大前提も重々承知の上での50枚です。あしからず。
ちなみに、今年初めて洋楽/邦楽の壁を取っ払いました。
実際、最初はそれぞれで30枚近くを選び、もっと言えばジャンル毎にも分けて10枚ずつ選ぼうとまで思いました。ただ、それらを決めている時間にもまた新しい音楽を聴き、人やメディアから薦められたアルバムに耳を傾けていく。そして、ひと通り選んだラインアップを見たら、そこにはあからさまに"大衆の影響”やら"権威への迎合"みたいなものが透けて見えたので...速攻でデータを消しました。
なので、もうここは自分のTwitterやサブスクの再生履歴を頼りにしました。
先にネタバレしてしまうけど(そこまで隠すほどでもないし)、乃木坂46や欅坂46が至極当たり前に入り、indigo la End、あいみょんのクセの強さを堪能し、Lil BとTyler, The Creatorに寄り道しながら、Kendrick Lamar、Drakeにたどり着くリストになってます。
上位10枚以外はほぼ順位不動です。トップ10枚だけは極私的な好みをベースに、その作品性やポジションなんかも考慮した並びにしました。このリストのタイトルからも1位はなんとなく先読みできますが、まぁ、そういうことです。
前置きが長くなりました、それではリストをどうぞ。
※画像はAmazonへ、その他Apple Music、Spotifyに作品があるものは下部にリンクを貼ってあります。
※一昨年、昨年の年間ベストはコチラ
50. 乃木坂46『生まれてから初めて見た夢』
49. Oddisee『The Iceberg』
48. 欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』
47. Vulfpeck『Mr. Finish Line』
46. Fazerdaze『Morningside』
45. Noga Erez『Off the Radar』
44. スカート『20/20』
43. chelmico『EP』
42. IU『Palette』
41. Ty Dolla $ign『Beach House 3』
40. サニーデイ・サービス『`Popcorn Ballads』
39. Shy Girls『Salt』
38. John Mayer『The Search for Everything』
37. Special Favorite Music『Royal Blue』
36. Lil B 『Black Ken』
35. Courtney Barnett & Kurt Vile『Lotta Sea Lice』
34. Braxton Cook『Somewhere In Between』
33. Base Ball Bear『光源』
32. Wolf Alice『Visions of a Life』
31. tofubeats『FANTASY CLUB』
30. Jlin『Black Origami』
29. indigo la End『Crying End Roll』
27. Ride『Weather Diaries』
25. Laura Marling『Semper Femina』
24. Liam Gallagher『As You Were』
23. odol『視線』
22. Lil Uzi Vert『Luv Is Rage 2』
21. Dirty Projectors『Dirty Projectors』
20. 米津玄師『BOOTLEG』
19. 土岐麻子『PINK』
18. Thundercat『Drunk』
17. Playboi Carti『Playboi Carti』
16. YUKI『まばたき』
15. Kelela『Take Me Apart』
14. Migos『Culture』
13. Tyler, The Creator『Flower Boy』
12. SZA『Ctrl』
11. Steve Lacy『Steve Lacy's Demo』
10. Calvin Harris『Funk Wav Bounces Vol. 1』
9. あいみょん『青春のエキサイトメント』
8. Mount Kimbie『Love What Survives』
7. Kehlani『SweetSexySavage』
6. Future『FUTURE』
5. (Sandy) Alex G『Rocket』
4. Joey Bada$$『ALL-AMERIKKKAN BADA$$』
3. Kendrick Lamar『DAMN.』
2. King Krule『The OOZ』
1. Drake『More Life』
<MY PLAYLIST 2017>
1. Drake『More Life』
2. King Krule『The OOZ』
3. Kendrick Lamar『DAMN.』
4. Joey Bada$$『ALL-AMERIKKKAN BADA$$』
5. (Sandy) Alex G『Rocket』
6. Future『FUTURE』
7. Kehlani『SweetSexySavage』
8. Mount Kimbie『Love What Survives』
9. あいみょん『青春のエキサイトメント』
10. Calvin Harris『Funk Wav Bounces Vol. 1』
11. Steve Lacy『Steve Lacy EP』
12. SZA『Ctrl』
13. Tyler, The Creator『Flower Boy』
14. Migos『Culture』
15. Kelela『Take Me Apart』
16. YUKI『まばたき』
17. Playboi Carti『Playboi Carti』
18. Thundercat『Drunk』
19. 土岐麻子『PINK』
20. 米津玄師『BOOTLEG』
21. Dirty Projectors『Dirty Projectors』
22. Lil Uzi Vert『Luv Is Rage 2』
23. odol『視線』
24. Liam Gallagher『As You Were』
25. Laura Marling『Semper Femina』
26. Cornelius『Mellow Waves』
27. Ride『Weather Diaries』
28. Okada Takuro『Nostalgie』
29. indigo la End『Crying End Roll』
30. Jlin『Black Origami』
31. tofubeats『FANTASY CLUB』
32. Wolf Alice『Visions of a Life』
33. Base Ball Bear『光源』
34. Braxton Cook『Somewhere In Between』
35. Courtney Barnett & Kurt Vile『Lotta Sea Lice』
36. Lil B『Black Ken』
37. Special Favorite Music『Royal Blue』
38. John Mayer『The Search for Everything』
39. Shy Girls『Salt』
40. サニーデイ・サービス『Popcorn Ballads』
41. Ty Dolla $ign『Beach House 3』
42. IU『Palette』
43. chelmico『EP』
44. スカート『20/20』
45. Noga Erez『Off the Radar』
46. Fazerdaze『Morningside』
47. Vulfpeck『Mr. Finish Line』
48. 欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』
49. Oddisee『The Iceberg』
50. 乃木坂46『生まれてから初めて見た夢』
そのクリエイティヴに衝撃を受けた〜ポップ・ミュージックの変容となる"引き金"とは
ちょっと"衝撃を受けた"。
この衝撃はここ最近よく感じるんだけど、それらは大概"日本ではない海の向こうの情報"からで、大半はヒップホップやR&B、もしくはライヴにおける刹那的なドラマなどでしか感じていなかったように思う。
もちろん、日本の音楽でも衝撃を受ける瞬間はある。ただ、結局はその時々のプロモーションや奇をてらったコマーシャルであったりと、"シンデレラのかぼちゃの馬車ばり"に時間が経てば元通りなものばかり。CD文化が未だ根強い日本で、シングルCDチャートが存在することも、きっとそんな瞬間でのアクションに業界が躍起になっているからなのかもしれない(もちろん、それらがJ-POPとしての良薬である時もある)。でも実際、何か大きな変化を巻き起こしたいなら、それ相応の条件を成立させるための下準備と鍛錬が必要なはず。
そんなことを日々の音楽を聴きながら考えていると、このツイートが自分のTwiterのタイムラインに流れてきた。
We Don't Need To Talk Anymoreのステムデータ配信開始しました!
— KEITA (w-inds. 橘慶太) (@Official_KEITA) 2017年6月7日
良いRemix、トラックメーカーに巡り会える事を楽しみにしています!https://t.co/TGXXUDNkR5
どうやら音楽メディア"CINRA.NET"とw-inds.が手を組んで行う企画のようで、単にリミックスを作成し、大賞に選ばれたら音源化、みたいな流れではなく、それぞれ"橘慶太との共同制作"と"CINRA.NETで橘との対談インタビュー掲載"が特典なっており、これが一過性の話題作りではないことをしっかり掲示している。
そして確信である"衝撃を受けた"のがこの記事。上記リミックス企画を橘自身が経緯も含めて語っている特集である。
企画の話はもちろん、ここ数年彼らがアイドルから完全にアーティストとして独自のポジションを築き上げよう試行錯誤していた経緯なども語られている。そんな濃厚なインタビューで、個人的にこの人は別格だな、と痛感させられたのがここ。
(今回の企画を通して"サウンドクリエイター同士のクオリティーを上げていくこと"も目的とし、海外のクリエイター同士の交流を日本と比較した上で)
慶太:僕が3年間勉強したことを誰かに1年かけて教えれば、その人は2年間を他のことに使えるわけじゃないですか? その2年間で勉強したことを僕に教えてくれたら、相乗効果でお互いがレベルアップできるんですよね。
シングル「We Don’t Need To Talk Anymore」のグローバルなサウンドディレクション、最新アルバム『INVISIBLE』でみせた明確なアイドルからの脱却。さらに橘自身のツイッターにおけるマニアックでクリエイティブな発言など、数年をかけて、おそらく大多数の否定を乗り換えながらこの沸点を迎えたんだと思う。材料の選定から切り方、火加減にアク取り、その場から離れることなくじっくりと煮込み続けた彼らの音楽は心底リスナーの音楽的満腹中枢を刺激したことだろう。
「We Don’t Need To Talk Anymore」のテクニカルな部分、『INVISIBLE』の作品におけるグローバルな視点などは以下の記事を是非。
3月にアルバムがリリースされてから約3ヶ月。橘君が刺激を制作からのインスピレーションを受けていたBruno MarsにしてもThe Weekndにしても、ここ日本では体験することができない規模(主にスタジアム)のライヴを世界各地で行っている。スマホに目を落としフリックすれば、Calvin HarrisとDJ Khaledがまもなく2017年を決定づけるアルバムを用意しているのだ。それらは日本人がマストで聴かなければならない作品、とは言わないが、少なくとも彼ら(w-inds.)は間違いなくチェックして次なる覚醒の肥やしにするはずだ。
今回"衝撃を受けた"発言やリミックス企画に関しても、より多くのクリエイターとリスナーを紐付けるものとして作用することだろう。それを証明するものとして、様々なアーティストがほぼ同タイミングで楽曲ステムの配布をし始めたりしている。
— Francis (@andthelights) 2017年6月7日
Francis and the Lightsは「See Her Out」のトラック・ステムを一部ファンに向けて提供(もちろん普通にダウンロードできます)
そして、Gotchの新曲、Taxi Driverのステムデータを無料で公開しました。よろしくどうぞ。 https://t.co/nMMW01YepI
— Gotch (@gotch_akg) 2017年5月26日
GotchことASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文も新曲「Taxi Driver」のステムを配布。実際は2ndアルバム『Good New Times』の全曲分を配布したかったとか。以下コメントも。
[News] Free Download 新曲「Taxi...|Gotch / 後藤正文 / ASIAN KUNG-FU GENERATION / ゴッチ
そして彼もリミックス・コンテストをスタート。トラックメイカーや専用機材でなくてもリミックスが作れるアプリ"8Stem"を使用しているので、遊び感覚でも参加可能。
[Gotch]「Taxi Driver」のステムデータが“誰でも簡単にリミックスを作れるiOSアプリ「8Stem」”にアップされました!リミックスコンテストも実施!ウィナーにはGotch直筆サインつきTシャツ等のグッズをプレゼント!https://t.co/rxyLzC7fIT
— only in dreams (@oid_info) 2017年6月21日
同時多発的にリミックスという、プロから素人までがフラットに楽しめる土壌に愉快な遊び道具(ステムやトラック)を設置するクリエイターの共鳴に、2017年のタイムリーな制作欲 を垣間見た気がする。
そんなクリエイティヴは、リミックス企画を挟んでいよいよツアーで肉体的にアップデートされていくことになる。おそらく、彼らがここ数年着々と土壌から慣らしてきた音楽フォーマットが、ここで極まるはずだ。洒脱でゴージャス、一挙手一投足の隅々まで血肉の通ったパフォーマンスを、きっと自分のような新規のリスナーにも見せつけてくれるだろう。
そして、沸々と湧き上がる期待の中、橘自身が所属するプロデュースチーム"DMD"から彼自身も制作に加わったという新曲がシェアされた。平成元年生まれのフィメール・シンガー:Chicaを迎え、テラスハウスからインスピレーションを受けたというこの曲も、非常にトレンディなトラックメイクが施されてる。
EDMからトロピカルハウス、フューチャーベースを駆け抜け、J-POPであることも肯定して仕上げられてる。これはZeddがAlessia Caraを迎えた最新曲「Stay」や、さらにポップネスとの親和性を高めたPorter RobinsonとMadeonによる「Shelter」とも、少なからず共通項を見つけることができるはずだ。
これら最先端のグルーヴをバンドのフォーマットに落とし込んでいるのが、それこそ記事で橘自身も挙げているyahyelやNulbarich、さらにはWONKがデジタル限定で発表した「Give Me Back My Fire」も、ここまで挙げた楽曲の延長で聴けば、自然と身体に馴染んでくることだろう。
急遽差し込むyahyelの新曲「Iron」もタイムリーだ。
記事の締め括りでは、今後は”オタクが勝つ時代”と評していたけど、これは我々リスナー側にも言えるんじゃないかなと思う。Twitterにしてもブログにしても、プロか否かは差し引いて、ある程度影響力を感じさせる人には、必ずコンプレックスにも等しいオタク気質が存在しているはず。全てにおいてオタクが勝つべきとは思わないが、衝撃を受けたクリエイティヴを生み出すオタクたち(=w-inds.)こそ、この瞬間のポップ・ミュージックを内側と外側から変容させていく引き金になり得る存在だと、ちゃんと言い切っておきたい。
※おまけ
大半は2016年より以前のものだが、未だフリーダウンロードに対応しているステムデータ
・Phoenix - Trying To Be Cool (Stems) :ステム・ダウンロード(直リンク)
・Phoenix - Entertainment (Stems) :ステム・ダウンロード(直リンク)
・Local Natives - Hummingbird Stems
・ラブリーサマーちゃん - ベッドルームの夢(Vo & Cho)